Fate/stay night 変わる運命 改
第三話








無事衛宮君によるセイバーの召喚も終わり、これからどうするのかという相談が始まった。
ライダーは戦えればいいという感じなので俺の意思に任せるということですがセイバーに対して名乗りを上げたのはどうなんだろう。
別に知られたから困るというわけではないし、本人が名乗るというのなら止める気もないがな。
それでも聖杯戦争の定石というものがあるだろうに。
それに応えて名乗ろうとしたセイバーもたいしたものだが、そんなことをしたら聖杯戦争がつまらなくなってくるのでやめさせた。
いずれは敵対するということはわかっていても誇りが優先するってことでしょうが衛宮君みたいな三流の魔術師のサーヴァントになるんですから手段は選ぶべきだろう。
そんなことより今後の方針だったな。
セイバーはライダーを警戒して話し合いには参加してない。
大和のやつも我関せずって感じだから俺と衛宮君での話し合いってことになりそうだ。





「とりあえず俺と隼人は共闘関係にあるわけだが、衛宮君はどうするんだ」



「俺は大和たちとはできるだけ戦いたくはない」



「ならしばらくは休戦ってことだな。セイバーはライダーと組むってことは出来そうにないからな」



「何でセイバーはライダーを嫌っているんだ」



「そんなこと俺は知らんよ。でもまあ、前回の聖杯戦争で何かあったんじゃないか」



「どうにかならないのか」



「無理だろう。別に仲良しこよしにすればいいってことじゃないし」



「それはそうだけど。協力しようって言うなら仲がいいほうがいいだろう」





衛宮君はホント勘違いしてるみたいだな。
本当に戦わずに聖杯戦争を終わらせることができると思っているんだろう。
そんなのは不可能だ。
ライダーは敵を殺さずに勝ちたいと思っているみたいだが、それもできればいいな程度のことだろう。
俺も大和以外との戦いはほとんど興味ない上聖杯にも興味もないからそれでもいいんだが。
セイバーは相当聖杯に対して執着を持っているみたいだから、それに反するような衛宮君の考えは納得できないだろう。





「衛宮君勘違いするのもいい加減にしたらどうだ」



「勘違いって何だよ」



「聖杯戦争に参加するって決めたんなら、戦いから逃げるなってことだ」



「別に逃げてるわけじゃない。でも戦わずにすむならそれに越したことはないだろう」



「戦わずにすむわけないだろう。セイバーがどれだけやる気か分からないってことはないだろう」



「そうだけど、何とかならないのか」



「無理だな。とりあえずはセイバー、ライダー。キャスターの3体になるまでは戦わないっていうのが限界だろう」



「分かったよ」



「後俺たちがあまりに有利すぎるからアドバイスしておこう。遠坂凛は魔術師だ」



「それって、遠坂もマスターってことか?」



「現段階では知らんが、必ず参加してくるだろう。気をつけておくことだな」





本当に俺も甘いな。
別に知らせておかなくてはいけない情報ではないだろうに。
まあ、敵に塩を送るってのも悪くない。
どうせ俺には勝てないだろうし。





一時休戦ってことでほかの連中も納得したので俺たちは帰ることにした。
まあ、サーヴァント連中はしぶしぶ納得って感じも強かったが。
特にキャスターとセイバーは。






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